子育て・老後*「1970年以降生まれのライフ&マネー塾」

子育てしながら、お金を貯める。ちょっと工夫して生きてみるのが、1970年以降生まれの僕らの人生。

お金を貯めたい・増やしたい!「資産配分」から見る“時代の変化”

f:id:fp-office-kaientai:20170401125108j:plain

 いよいよ4月。

 新年度のスタートですが、年度が変わって、暮らしのこと、お金のこと、家族のこと、将来のこと、いろいろ考えてみようと思うんですけど、なかなかできませんっ。

 そんな方、意外と多いんじゃないでしょうか。

 昨年度のご相談では、「老後の生活やお金のこと」についての話題やお悩みが多かったですが、今回は、その中で気づいたことをお伝えしていこうと思います。

 傾向としては、お金を貯めたい。でも、貯められない・・・。

 どうしたらいいですか?

 一般的にはこのような方がすごく多いと感じます。

 

 でも、資産家、いわゆるお金持ちと呼ばれる人たちにお会いすると、必ずしもそういうお悩みを持たれているわけではなく、お金を増やすにはどうしたらいいのかについて具体的なご質問やご相談が多い傾向があります。

 というのも、すでに資産を保有しているので、お金を貯めたり、増やしたりといった知識や情報をある程度備えているんですね。

 だから、より良い方法を教えてほしいとか、資産のバランスをどのように組み替えたらいいのかを知りたいとか、必然的に相談内容が具体的になるんだと思います。

 ただ、もともとお金持ちという方はもちろんいますが、努力して資産家になったという人の方が多いと思います。

 大概の人は、初めは「お金を貯めたい。でも、貯められない・・・」というお悩みを持たれていたはず。

 

 ということで、「お金を貯めたい。でも、貯められない・・・。どうしたらいいですか?」という漠然としたお悩みを抱えている方の共通点は何か。

 ここからお話を進めていきましょう。

資産配分があまりにも偏り過ぎている

 何ごとも、過ぎたるは及ばざるがごとし。

 このような方の場合、通常、ご自身で保有されている資産が安全資産ばかりになっていて、超低金利での貯蓄を余儀なくされ、お金が貯まる・増える機会を失っています

 例えるなら、栄養分があまりにもないのでガリガリのやせ細った資産状況になっているにもかかわらず、栄養を摂ろうとしないといったところでしょうか。

 これじゃ、お金を貯めたい・増やしたいという希望は叶いません。

 

 偏り過ぎの原因は、次のような認識の違いがあるように思います。

安全と危険の捉え方の違い

 これは言葉の問題なんでしょうか、それとも、日本人の気質なのか、教育の問題なのか。

 定かではありませんが、現代社会では「安全」⇔「危険」というゼロ・サムの考え方があまりにも強くなっており、これが偏りを生み出している一番の要因になっている気がします。

 世の中そんな単純じゃないですよね。

 安全にもどれぐらい安全なのか、危険にもどの程度危険なのか、安全と危険の間にはいくつものレベルが存在します。

 低い「ド」と高い「ド」の間に6つの音が存在するように、「安全」と「危険」の間にもいくつかのレベルがあります。

 たとえば、

①「絶対安全

②「どちらかというと安全

③「どちらかというと危険

④「絶対危険

この4つのレベルが存在するとします。

 英語でいうと、①「絶対」安全は“safety”、④「絶対」危険は“danger”、そして②・③「どちらかというと」安全・危険は、いずれも“risk”と表現されます。

 “risk(リスク)”とは「不確実性」のことなので、②・③は「安全なのか、危険なのか定かではない」という意味になります。

 今のように安全神話が極めて強くなっている社会ではリスク(risk)=危険(danger)と捉えられる傾向があり、これがお金が貯まらない・増えない原因のひとつになっていると考えられます。

 

 それでは、資産家、つまりお金が貯まっていく人・増えていく人の資産の状況を見てみましょう。

〔お金が貯まっていく人・増えていく人の資産状況(例)〕

f:id:fp-office-kaientai:20170401155039j:plain

 各資産には、次のような配分の意味があります。

①現金・預金は「短期資金」

 現金・預金・貯蓄性保険など「安全資産」

 日常の生活費や急に入り用になった場合のお金、教育資金、老後の生活資金などが含まれる。いわゆる“safety”なお金。

 

②有価証券は「中・長期資金」

 国債社債などの債券、外貨預金、外貨建て保険、投資信託、株式、金投資など、老後の生活資金の準備や財産形成を目的にした「リスク(不確実性)資産」。いわゆる“risk”のあるお金。

 

③不動産投資は「長期資金」

 分譲マンションの区分所有による転貸(マンション投資)やアパート経営など、老後の生活資金の準備や財産形成だけでなく、節税、相続税対策などの目的もある「リスク(不確実性)資産」。いわゆる“risk”のあるお金。

 特徴としては、以下のとおりです。

・資産を分けているので、万が一損失を被っても他でカバーしやすい。

超低金利のもとではお金を貯める機会を失うという「機会喪失」のリスクがあります。資産を分けることでこのリスクを回避しやすくできます。

・すべてミックスした総資産の利回りで財産形成できるため、運用効果が上がりやすい。

 「同じかごに卵を入れるな」とは良く言ったものですが、お金持ちの人はこの意味を知っています。

 つまり、ひとつの資産にだけ自分のお金を預けていると、もし何か不測の事態が起こった場合に対処しにくくなるということです。

 だから、分散投資が重要ですと言われるんですね。

ポートフォリオ(Portfolio)

 日本語では「書類ケース」と訳されますが、よく資産運用の世界で使われる言葉で、「資産をひとつにまとめるのではなく分けましょう」という「資産配分」の意味で使われています。

 もうひとつ、安全資産からリスク資産までバランス良く持っていると、全体的な投資効果が高まるのはもちろん、リスク処理もしやすくなります

 この点も、お金持ちの人のお金が貯まりやすい理由です。

 

 さて、資産家に比べ、「お金を貯めたい。でも、貯められない・・・。」という人の特徴はどのようになっているのでしょうか。

 こちらも円グラフで資産の状況を見ていきましょう。

〔お金が貯まりにくい人の資産状況(例)〕

f:id:fp-office-kaientai:20170401163429j:plain

 次のような特徴があると思います。

①安全資産でしか貯めていないので、全体的な利回りが極端に低い

②貯蓄性の保険に資産を投じ過ぎているので、保険料の家計支出に占める割合が高くなり、家計全体で見ても利益が出にくくなっている

 つまり、お金を貯めたくてもなかなか貯まらない人には「貯まらない・増えない理由」がちゃんとあって、ここにメスを入れないので貯まりにくい・増えにくいというわけです。

 

 これから来るべくして来る高齢化社会

 1970年以降生まれの私たちにとって、自分たちの親がたどってきた時代と真逆の方向に向かっていきます。

 かつては高度経済成長期で日本はどんどん上向いていく状況でした。

 だから、金利もどんどん高くなり、投資をしても利益を得やすく、所得も伸び、暮らし向きは毎年のように良くなっていく一方でした。

 よく耳にしますよね。

 昔は金利が高かった・・・。

 預金も、貯金も、貯蓄性の保険も、今に比べて金利はすべて格段に高かったんです。

 だから、この時代を経験したことのある世代の人たちには「保険神話」なるものがあって、「保険を掛けるなら貯蓄性がある方がいい」=「掛捨てはイヤ」という発想が根強く残っています。

 

 時代は逆です。

 アベノミクスでは、がんばって、がんばってデフレから脱却しようとしていますが、高齢化社会の意味を知っているからこそ、日本人の価値観を変えようと必死にもがいています。

①税金・社会保険料を上げますよ~。

⇒高齢化により社会保障費が増えていくからです。

②働き方を変えていきましょう~。

⇒1人で稼ぐのではなく、夫婦ふたりで稼ぐことで世帯所得を維持し、消費の減少を防ぐ必要があるということです。

③住み方を変えていきましょう~。

 新築のマイホームではなく中古住宅を、核家族ではなく二世帯住宅で3世代同居を促すことで、国民が稼ぎにくくなる環境を少しでも和らげていこうという経済的な意思の表れかもしれません。

③貯蓄ではなく、投資をしていきましょう~。

⇒みんなでお金を回さないと、国全体の資金還流が鈍り、景気が落ち込みやすくなるからです。

 キーワードは「助け合い」。

 「自助」、「共助」、「公助」という言葉があります。

 自らを助け、共に助け、公も一緒に助け合う。

 自立と助け合いによって、この国はこれから共存・共栄していこうという意味です。

 

 助け合いの社会とはどういう社会なのか・・・。

 みんなで応分の負担を分け合うという社会ですが、裏を返すと、1人勝ちはいけませんと言われているような社会です。

 話を資産配分に戻すと、

安全資産ばかりでお金を貯めるのはやめましょう

と言われているようなもので、ここではつまり、安全をむさぼるように求めるのはやめましょうとも聞こえます。

 

 今問われていること、これから問われていくこと。

バランスの取れた人生を送ってください

 生き方も、働き方も、生きる世界も、住む世界も、人との関わりも、家計も、そして、お金を貯める・増やすことも、バランスを取って、より豊かにみんなで助け合いながら自分で努力していってくださいということ。

 国も少しは援助しますから・・・。

 

 戦後、右肩上がりの経済成長と日本式の民主主義制度により、日本人はいつの間にか自助・共助・公助というバランス感覚を失いました。

 リバランス。

 バランスの取れた人生に戻すことで、個人も、家庭も、会社も、地域も、社会も、国も、みなが助け合い、豊かな時代に少しでも戻っていけるようにしましょうということなのかもしれまえん。

 

 本当は、これから、この国はどちらに向かっていくのでしょうか。

 これまでと同じ歩みなのか。

 それともリバランスなのか。

 年度が変わったこの時期だからこそ、ちょっと考えていきたい事柄です。

fpofficekaientai.wixsite.com