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子育て・老後*「1970年以降生まれのライフ&マネー塾」

子育てしながら、お金を貯める。ちょっと工夫して生きてみるのが、1970年以降生まれの僕らの人生。

2035年に向けて、僕らの前に敷かれる「働き方改革」という新しいレール

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 2035年、1970年以降生まれの私たちは何歳になっているのでしょうか。

 今、40歳の人は58歳、35歳の人は53歳、30歳の人は48歳、25歳は43歳、20歳は38歳・・・。

  1. 働き方への厚労省の提言
  2. 参考図書の紹介
  3. 2035年の働き方のイメージ・サンプル

 2017年から数えて18年後の未来の「働き方」を、国はこのように提言しています。

 「働き方の未来 2035 ~一人ひとりが輝くために~」

 こちらは、昨年1月から厚労省で議論されていた未来の「働き方」についての報告書です。

 ボリュームのある資料ですので、読むのに少し時間がかかるかもしれませんが、ご関心のある方はどうぞ。

 

 さて、現在、国は働き方に向けた制度改革を推し進めています。

 「働き方の未来 2035」では、働き方が変わる背景として、AI(Artificial Intelligence:人工知能)やVR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実)、MR(Mixed Reality:複合現実)などに代表されるような技術革新(イノベーション)の加速度的進展を挙げています。

 要は技術の進歩で働き方が変わっていくということですが、その特徴として、さまざまな壁が取り除かれることで、一人ひとりの希望が叶いやすくなり、働く目的がより「自己実現的志向」になっていくと報告書ではまとめています。

 ①正社員や非正規社員を区分けする必要がなくなる

 ②働く拠点が社内である必要がなくなる

 ③ひとつの仕事をずっと続けていく必要がなくなる

 ④セーフティーネットのあり方そのものが変わっていく

 ⑤自分に合った働き方を選択しやすくなる

 戦後の社会システムが新しい時代に合った形に書き換えられ、より「個」を重視した、一人ひとりを向いた社会制度としての働き方が許容される時代になる、そんな捉え方でしょうか。

 

 もう少し深く考えてみたいという方は、この2冊は面白いかもしれません。

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

 

 

 

 ところで、「働き方の未来 2035 ~一人ひとりが輝くために~」では、最後に2035年の働き方を年齢別にシミュレーションしています。

 働き方がどのように変化していくのか、イメージの助けになればと思います。

 

①【2016 年:50 歳 2035 年:69 歳、女性】

 「50 過ぎまでは、近所の会社で経理を担当していました。でも、経理業務は どんどん AI に代替されていきました。15 年ほど前に転職し、いまは地域の病院 に勤めながら心理学の勉強もして、カウンセラーの資格も取得しました。かつ ては、この病院は医師不足、看護師不足が悩みの種でしたが、今では AI、3D や VR を駆使したハイテクのチーム医療を提供していて、病院全体のワークライフ バランスも随分改善されました。私の仕事は、AI を使った問診のお手伝いです が、病院に来た患者さんがリラックスできるように話をしながら、AI を操作し て患者さんを診てもらうことです。病院に来る患者さんは不安です。「あら、◯◯ さん、顔色よくなったじゃない」「大丈夫、きっとすぐ治りますよ」 と声をか けるだけで、患者さんの気持ちの支えになります。病は気から。病院では、患 者さんを診断するだけでなく、励ますことはとても大切です。そしてそれは、 人間にしかできない仕事です」

 

②【2016 年:4 歳 2035 年:23 歳、男性】

 「小さなころからプログラミングが好きで、趣味でゲームをつくっては公開 していました。高校生のころ仲間数人でつくったゲームがヒットし、世界中で プレーされました。それで僕たちの名前が知られることになり、シンガポール、 インド、ドイツ、エストニア…いろんな国のプログラマーから「一緒に仕事を しよう」と声がかかりました。いまは 5 つのプロジェクトを抱えています。住 む場所は違っても、いいサービスをつくりたいという気持ちはみんな一緒です。 また世界をあっと言わせるサービスをリリースしたい。父親の時代までは、い い仕事に就くためには都会に行けと言われていたそうです。でも、いまは違う。 この小さな海辺の街にいながら、世界中とつながって仕事ができる。僕は海が 好きなので、ずっとこの街にいたい。毎日午前中はサーフィンをして、午後に 集中して仕事をしています。仕事のために都会に行き、一日中仕事をし、ひと りで小さなアパートに帰るという生活は、僕には想像ができないです」

 

③【2016 年:15 歳 2035 年:34 歳、女性】

 「娘が 2 人と息子が 1 人います。3 人目ができたとき、母にはずいぶん心配さ れました。母が私を育てた時代は、子育ては基本的に女性がするものでしたし、 女性にとって仕事と子育ての両立はとても大変だったのです。保育園は待機児 童が多く、子どもを入れるのも一苦労だったと聞きます。いまでは、希望すれ ばだれでも子どもを保育園に預けることができますし、在宅勤務は当たり前で す。うちの場合は、夫も私も週の半分を在宅勤務にしていて、毎日どちらかは 家にいます。子どもたちのお気に入りの場所は、近所のおじいちゃんおばあち ゃん達が運営している『なんでも寺子屋』です。放課後遊びに行っては、おじ いちゃんに虫捕りを教わったり、おばあちゃんから料理を習ったりしています。 地域のみなさんに面倒を見てもらえて、心強いです」

 

④【2016 年:36 歳 2035:年 55 歳、男性】

 「自動車メーカーA 社に勤めていました。自動運転技術が出はじめたころ、職 場の仲間数人で『自動運転の警備巡回マシンをつくろう』と盛り上がり、本業 のかたわら開発に打ち込みました。製品化して会社を起ち上げましたが、収益 化には時間がかかりそうだったので、週の半分は A 社に勤務し、残りの半分で 自分たちの会社を経営していました。3 年ほど経ったころからビジネスが軌道に 乗り、A 社を退職して自分たちの会社の経営に専念しました。世界各地に赴き営 業し、いまでは 50 カ国以上の警備会社に採用されています。そろそろ事業売却 を検討しているのですが、実は、私たちがもといた A 社は売却先の候補の一つ です。A 社は社員の起業を積極的にサポートすると同時に、軌道に乗った事業を 買収することで、次々と新規事業分野を開拓しています」

 

⑤【2016 年:61 歳 2035:年 80 歳、男性】

 「新卒で入社した会社の定年は 65 歳でしたが、人手不足で結局 70 歳まで働 きました。といっても 66 歳からは小さな会社を起業したので、それが副業とな り、そこそこの収入を保っていました。退職金もあって老後の資金は何とかな りそうだったのですが、引退して悠々自適という気分にはなれず、71 歳以降も 働くことにしました。といってもインターネットで受注したボランティアの仕 事です。私の専門だった仕事はすっかり AI を搭載したロボットに取って代わら れたのですが、文化保護団体が昔の仕事のやり方を保存したいということで、 私に仕事が来ます。報酬は AI ロボットが使う電気代ほどですが、昔からの仕事 なので私にとってはやりがいがあります。最近分かったことですが、AI の仕事 31 と人手による仕事ではどうも仕上がりに微妙な差があるようで、再び人間の仕 事として見直されているそうで、私の技術がまだまだ役に立つ可能性が出てき たのです。昔の仲間で長生きしている連中に声をかけて、近く NPO を設立する 予定です。収入がなくても社会に役立っていることが生きがいです。100 歳まで 生涯現役で働きたいと願って、近所のプールで週に 3 日は泳いでいます」

 

 私たちにとってはまだ少し遠い先の話に聞こえますが、少なくとも1970年以降生まれの僕らは健康長寿社会を生きていくことになり、どのように前向きに生きていくのかを今まで以上に考えておく必要があるのかもしれません。

 また、その下のまだ未成年である子どもたちの時代が、先に挙げた技術的な進歩が当たり前の世の中になっているのだとしたら、1970年以降生まれの親御さんたちは、お子さんの未来をどのように考えるようになるのでしょうか。

 ひとつ言えることは「自律」です。

 自らを律する力、言い換えれば、自分で考え、行動する力です。

 単に会社に就職するという考えよりも、どのような仕事がしたいのかが卒業後の進路を決める主流になるでしょう。

 名門大学に入学するよりも、どの大学で何を学びたいのかによって人生が変わってくることに価値を置くようになるのかもしれません。

 親が「自律」し、幅広く世間を知り、情報や知識だけでなく、経験や人間関係の中で、子どもにとって何が大事なのかを改めて見つめ直す時代が来る、そんな予感がします。

 働き方は、つまるところ、人生をどのように生きていくのかということと深くかかわっています。

 本当の意味で、自分や家族にとって大切な価値観とは何かを見出し、自分に合った暮らし方や生き方、働き方を求める動きが、今後、増えてくるようになるでしょう。

 ファイナンシャル・プランナー(FP)として「個」に向き合い、「自己」の願いを実現する、そんな時代をしっかりと生きていこうと思った報告書でした。

fpofficekaientai.wixsite.com