子育て・老後*「1970年以降生まれのライフ&マネー塾」

子育てしながら、お金を貯める。ちょっと工夫して生きてみるのが、1970年以降生まれの僕らの人生。

2016年。アベノミクスを振り返る。

f:id:fp-office-kaientai:20161210021955g:plain

 2016年も、もう終わり。

 アベノミクスって、結構面白いなっていうのが2016年の個人的な感想です。

www.kantei.go.jp

 首相官邸のホームページには、こんな資料が掲載されています。

 『やわらか成長戦略』

 成長戦略をわかりやすく説明したパンフレットです。

 『日本再興戦略 2016』

 少し堅めですが、日本の国家戦略がここに描かれています。

 

 「経済」に興味があるので、今年のアベノミクスについて自分なりに総括している最中ですが、このふたつの資料を見ていると、おおよそこの国の先行きを知ることができて楽しい気分になりました。

 

 一言でいうと、“変わる”

 

 職業柄、ニュースなどを追っていると、この“変わる”が“わかる”、つまり、実感がともなってくるのではないかと期待を持って見ています。

 注目している点は、「マイナス金利政策の行方」と「人への投資」です。

 

 マイナス金利政策は2016年を物語る象徴的な経済政策ですが、こちらは相変わらず期待していません。

 この政策を実行したことで、金融経済と実体経済が乖離しやすくなったと考えています。

 たとえば銀行のこと。

 銀行の本業は金貸しです。

 でも、銀行はすでに、金融の自由化以来、投資業に軸足を置くようになっています。

 銀行の窓口で投資信託が買えるという、いわゆる窓販業務が最たる例ですが、それ以外にも企業買収の手助けをしたり、企業の持ち株会社になったり、貸金業から投資業へとアメリカ型の銀行に変貌していきました。

 アベノミクスでは、第1次・第2次と「金融緩和政策」を実施し、日本中にマネーを流し続ける作業を行っています。

 目的は、お金の流通量を増やし、企業の設備投資や人への投資を加速させることで景気を良くしていくことです。

 金融緩和期では、銀行はほぼゼロに近い金利で企業にお金を貸すことになりますが、利ザヤが取れないので本業での収益が減少します。

 この結果、収益の柱がより投資業に傾きやすくなり、内需にお金が向かいにくい状況が生まれていました。

 

 そこに来ての「マイナス金利政策」です。

 国は、銀行にお金を貸しなさいと言う、銀行はお金を貸したところで利ザヤがいっそう生まれにくいと嘆く。

 銀行の立場になれば、打開策はより多くの利ザヤを得るための投資業ということになります。

 何年も金融緩和政策を続けていて、それでも景気がなかなか回復しないのは、別に銀行のせいではないのに、むしろ、企業が社内にお金を貯めている(内部留保)ことだったり、老後の不安で国民がお金を使わない(貯蓄性向の高まり)ことだったり、パート・アルバイトが増えている(非正規雇用の増加)ことだったり、高齢化・少子化など多くの社会的な問題がバブル崩壊後の景気回復を遅らせている原因にもかかわらず、マイナス金利政策を実行してしまいました。

 

 投資には、実になる投資(実物投資)と実にならない投資(金融投資)のふたつがあります。

 前者は、暮らしや経営が目に見える形でよくなる投資、後者は、お金によってお金が生み出される投資です。

 銀行は今、より後者に注力し、確かに日本国内にお金が回ることもありますが、どちらかというと国外にお金が逃げ出す片棒を余計に担いでしまいました。

 特に、トランプ氏が次期アメリカ大統領になると決まったあの次の日、これはトランプ氏の経済政策により日本とアメリカの金利差が広がる(米国金利>日本金利)という予測から来ていますが、日本からも桁違いのマネーがアメリカに向かって行きました。

 マネーゲームの再燃です。

 これをもって、実体経済に流れるはずのお金が減った。

 そう考えています。

 

 こうして期待していた第1の矢は折れたわけですが、第2次アベノミクスでは、まだ第1の矢の中に財政出動公共投資)が残っています。

 財政政策の効果がどこまで広がるのか、これについては2017年以降、期待しています。

 

 さて、第2の矢である「夢を紡ぐ子育て支援(希望出生率1.8の実現)」と、第3の矢である「安心につながる社会保障(介護離職ゼロの実現)」ですが、これらはどちらかというと「人への投資」です。

 経済政策というよりも福祉政策の意味合いが強いですが、広い意味で考えると、このふたつには「働き方への改革」が根底にあります。

 経済を動かすのは「人」である。

 人を大切にしましょうというのが働き方改革の意味です。

 

 子どもを産みたい、でも産めない・・・。

 経済的な負担を原因とする人がたくさんいます。

 子どもを産みたい、でも産めない・・・。

 育児休業を取りにくい現実が企業にはあります。

 子どもを産みたい、でも産めない・・・。

 ママさんたちが働くに働けない時間の問題があります。

 

 そして、子育て期が終わると、親の介護で仕事を辞めざるを得ない現実が待ち受けています。

 

 非正規を正規社員として雇用する。

 若者の賃金を上げ、子育て世帯の収入を増やす。

 フレックスタイム制在宅ワークなどで働く時間を選びやすくする。

 そして、育児や介護が負担になりにくい社会制度を作り上げる。

 

 これらの人への投資は、どちらかというと国の政策というよりも、企業の自助努力に負うところが大きいですが、国が先行し制度を作り上げることで企業の風土を変える効果が期待できます。

 

 仕事や日常生活を通じて、特に1970年以降生まれの方と接する機会が多いですが、この人への投資は、自分も含め、多くの若者や子育て世帯の方たちにはとても有益になると思います。

 この流れがさらに加速し、来年、再来年と続くなら、この国は、失った30年にならずにすむのかもしれません。

 バブルが崩壊した1991年から数えて、2021年でちょうど30年になります。

 東京オリンピックに向けて、猛スピードで走り抜けようとしている安倍政権。

 日本という巨艦が止まらないほどの速度で走り続けた後、僕らの目にはどんな景色が映るのでしょうか。

 転覆なのか、到達なのか。

 1970年以降生まれの僕らは、すでにアベノミクスという船に乗っています。

 

 本年の当ブログ更新は、今回を持ちまして最後とさせていただきます。

 1年間お付き合いくださいまして誠にありがとうございました。

 来年は弊事務所の開業10周年です。

 2017年も、みなさまのお役に立てるよう有益な情報を更新してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、良いお年を。

 

 FP OFFICE 海援隊

 代表 重定賢治(CFP)

fpofficekaientai.wixsite.com