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確定拠出年金。ファイナンシャル・プランナー(FP)の思う「ホントのところ」。(定期預金編)

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 2017年1月から、専業主婦や公務員の方でも「確定拠出年金(個人型)」を利用することができるようになります。

 前回まで3回のシリーズで、「老後の生活資金をいかに準備するか」を目的に『70歳からを老後にしないために知っておきたい3つのこと』をお送りしました。

 その中で、今、注目されている「確定拠出年金制度」についてお伝えしましたが、今回からは経験談として、確定拠出年金制度で用意されている金融商品と絡め、“ホントのところ”をお話していきたいと思います。

 確定拠出年金は、ある金融商品を活用し「貯める・増やす」ことで老後の年金を準備していく私的な年金制度。

 銀行や証券会社、保険会社など、金融機関では、確定拠出年金向けの金融商品をいろいろと取り揃えています

 

①元本確保型商品(安全性の高い金融商品

・定期預金(1年物、3年物、5年物)

・利率保証型積立保険

②リスクのある商品

投資信託(株式型、債券型、国内型、外国型、バランス型など)

 

 これらの金融商品の中から運用先を自分で選び、掛金を振り分けていきます。

 分散投資ですよね。

 定期預金に50%、利率保証型積立保険に30%、投資信託に20%みたいに。

 

 でも、ご相談者の資産配分を見ていると、たいてい、

 掛金のすべてを定期預金に振り分けている!

 

 理由は?

 資産運用がよくわからないから。

 

 そうなんですよね。

 結局、普通は、そうなるんですよね。

 

 国はどうしたいのか。

 定期預金で預けてほしいわけではなく、ちゃんと資産運用してくださいってことなんですが、投資教育自体、金銭教育自体、若いうちからされてなくて、自分の年金は自分で運用して貯めていってくださいって言われても、上手くいくわけありません。

 結局、普通は、そうなるんです。

 

 でも、誰が言い出したのか、この制度、国の制度として成立しました。

 これから、ますます、自分の年金は自分でという流れになっていきます。

 そんな中、ずっと定期預金っていうのもね。

 

 確定拠出年金は、掛金を、企業:損金、個人:所得控除ということで、売上や収入から経費として差し引くことができるため、一定の節税効果があります。

 また、受取時にも、一時金として受け取る場合は退職所得控除、年金受取の場合は公的年金等控除ということで、こちらも節税効果があります。

 だから、この制度の宣伝・PRでは、よく「普通に金融機関で預けるよりも、貯めるよりも、増やすよりも、お得です」って言われます。

 

 でも、確定拠出年金を「利用する・利用しない」の段階では、そもそも比較できないんですよね。

 なぜならば、確定拠出年金の利用者は、金融機関で取り揃えられた金融商品の中から運用対象を選ぶので。

 

 やろっかなぁ、どうしよっかなぁで迷っている人は、確定拠出年金のメリットを知ると得じゃんって思いますが、実際、確定拠出年金を始めると、定期預金などの安全資産と投資信託などのリスク資産との比較で選びます。

 こうなると、節税効果があろうがなかろうが、たとえ定期預金であろうと、考え方は資産運用になっちゃうんです。

 なので、資産運用の枠組みの中で総利回りや利益の計算を行っていく必要があります。

 

 頭を切り替えていきましょう。

 定期預金だけを運用対象にした場合。

(運用商品)スルガ銀行「スルガ確定拠出年金スーパー定期5年物」

(年利)0.01%

(掛金)毎月1万円ずつ

(運用コスト)

 ・加入時手数料(国民年金基金連合会へ):2,777円(加入時のみ)

 ・口座管理手数料(国民年金基金連合会へ):毎月103円

 ・口座管理手数料(事務委託先金融機関へ):毎月64円

 ・給付事務手数料(事務委託先金融機関へ):432円(給付の都度)

(初年度コスト)4,781円

(次年度以降のコスト)毎年2,004円

(1年目の運用結果)※計算を楽にするために年単利計算

 (1万円-167円)×12か月×(1+0.0001)-2,777円

11万5,230円

 あれ?

 毎月1万円を銀行に預けると、金利は0.01%であったとしても、

単純に1年後、12万円+12円

=12万12円で、ちびっとだけど増えてるはず。

 なのに、元本割れしてるじゃん?

 

(2年目の運用結果)※計算を楽にするために年単利計算

 {11万5,230円+(1万円-167円)×12か月}×(1+0.0001)

23万3,249円

 あれ?

 毎月1万円ずつ2年間預けたら、単純に24万円は超えてるはずだけど、下回ってるじゃんっ。

 

 この計算のあとに税制を取り入れ、家計全体で考えます。

 仮に、毎月1万円、年間12万円の掛金が小規模企業共済等掛金控除により節税効果があるとすると、たとえば簡易計算ですが、所得税率を10%とした場合、毎年1万2,000円、家計のやりくりができたことになります。

 節税効果も合わせると、上記の条件で計算した場合、単純に1年当たり約1万円は家計全体でプラス

 

 そうなんです。

 正直言うと、①運用コストがかかる、②定期預金だと金利が低すぎる(ほぼ0金利)ため、年間の利息が毎月の運用コストを上回ることができず、金利がもっと高くならない限り必ず元本割れします。

 定期預金だけに預けてしまうと、元本割れする

 

 そして、税制を活用することで、やっと家計全体で利益が出る

 

 正直、これって、資産運用じゃないです

 単に“手間のかかる”+“上手な家計のやりくり術”です。

 年1万円ぐらいなら、他にも上手な家計のやりくりはいっぱいあります。

 でも、これが確定拠出年金

 

 国民は、一生懸命働いた結果、みんなで納めた税金を使って、毎年上手な家計のやりくりをする。

 国は税金を使って、銀行、証券会社、保険会社など金融機関にメシの種を提供する。

 金融機関に集まったみんなのお金は、巡り巡ってどこかの国に向かっていく。

 金融の自由化、金融のグローバリズムは、こうして成り立っています。

 

 ん~、どうなんでしょう。

 確定拠出年金

 ファイナンシャル・プランナー(FP)の思う「ホントのところ」(定期預金編)でした。

 

(結論)

 老後の生活資金を準備する。

⇒定期預金で貯蓄するなら、普通に銀行に預けるよりも、確定拠出年金を活用すべし。

⇒ただし、メリットは、家計全体として節税効果があるだけと割り切ろう(資産運用の効果は現状ではむしろマイナス)=手間のかかる上手な家計のやりくり術。

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