FP OFFICE 海援隊|1970年以降生まれと語るお金の話

子育てしながら、お金を貯める。これまでとはちょっと違った未来の常識。

1970年以降生まれのための、「自分の介護にかかるお金」の話

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 1970年以降生まれの僕らにとって、いまいちピンとこない話題のひとつが「公的介護保険」。

 でも、実を言うと、40歳以上の方は公的介護保険制度の第2号被保険者になっていて、健康保険料と併せて介護保険料がお給料から差し引かれているので、無関心というわけではないと思います。

 先日、クライアントから「介護にかかるお金ってどれぐらいなの?」というご質問を受けました。

 一般的には、200万円~300万円と言われていますが、ざっくりとこんな数字を伝えられても、漠然とし過ぎています。

 

 介護にかかるお金について考えるときは、以下のポイントを知っておくとわかりやすいかもしれません。

 ①介護サービスの内容

 ②公的介護保険制度の自己負担限度額(自己負担割合含む)

 ③公的介護保険制度の高額介護サービス費

 ④高額医療・高額介護合算療養費

 つまり、ある程度、公的介護保険制度について把握しておくと、「介護は大変だ。お金がかかる。」といった、世間でまことしやかに広がっている不安の連鎖に巻き込まれずにすむでしょう。

 

 介護の種類は、「要支援」と「要介護」の2つに分類されます。

 要支援は、要支援1・要支援2という2つのステージに分かれ、要介護は、要介護1~5の5段階となっています。

 それぞれの段階で「介護サービスの内容」が異なり、これらのサービスを受けると、費用が発生します。

 たとえば、要介護3と判断されると、利用できる在宅サービスの目安として、

 ①週2回の訪問介護

 ②週1回の訪問看護

 ③週3回の通所系サービス

 ④毎日1日、夜間の夜間の巡回型訪問介護

 ⑤2カ月に1週間程度の短期入所

 ⑥福祉用具貸与(車イス、特殊寝台)

といった内容の介護サービスが受けられます。

 そして、このような介護サービスは、一般の所得者の場合、公的介護保険制度から9割の介護費用が支給されるので、自分で払う費用の割合(自己負担割合)は1割ですみます。

 金額にすると、1か月当たりの自己負担限度額は26,931円となっています(自己負担割合が2割の場合は53,862円)。

 

 生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した平均の期間は「4年11カ月」。

 介護に必要な期間が平均で約5年と考えると、前述のケースでは、一般の所得者の場合、

 「1か月当たりの自己負担限度額:26,391円」×5年間=1,583,460円」

となります。

 これに、介護が必要になったときの「住宅改修」や「介護用ベッド」などの一時的な支出の平均額800,000円(生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」)を加えると、介護にかかるお金は、2,383,460円となります。

 

 この他に、介護に多額のお金がかかった場合、公的介護保険制度のうち、「高額介護サービス費用」の申請を行うことで自己負担の金額を抑えることができます。

 また、「高額医療・高額介護療養費制度」を活用すると、1年間の健康保険と介護保険の自己負担額を合算し、限度額とすることができます。

 たとえば、夫婦ともに75歳以上の世帯の場合、1年間の自己負担限度額は、一般の所得者で56万円となっています。

 

 このように、公的介護保険制度の概要を知っているのと、知っていないのとでは、退職後(老後)の生活設計(リタイアメントプラン)に少なからず影響が出てきます。

 老後の3大支出は、「医療費」、「介護費用」、「葬儀・墓石費用」と言われます。

 介護にかかるお金がいくらぐらいなのかをあらかじめ知っておくことで、どのように準備すればよいのかも考えられるようになります。

 

 ちなみに、現在、介護保険制度の自己負担割合2割の対象者を拡大しようという議論がされています。

 超高齢化社会において、2025年には国の介護費が18兆円を超えると言われている現状では無理もないことなのかもしれません。

 時代の流れには抗えませんが、ある程度、ポイントは抑えて、介護について思いを巡らすようにしていきましょう。

 

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