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子育て・老後*「1970年以降生まれのライフ&マネー塾」

子育てしながら、お金を貯める。ちょっと工夫して生きてみるのが、1970年以降生まれの僕らの人生。

1970年以降生まれのボクらの時代。 時代の先になにを見る!

 こんにちは。FP OFFICE 海援隊の重定です。 

 1970年以降生まれのボクらの時代。

 年齢でいうと現在45歳以下のひとたち。

 親が生きた時代とボクらの生きる時代とでは、暮らしの面でどうも、大きな違いがあるようです。

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 1970年以降生まれのボクらは、総じてバブルが崩壊した後に社会に出ています。

 それ以降の日本経済の潮流は、それまでの時代と比べ「物価の下落」と「金利の低下」、「賃金の減少」の3つの負のスパイラルを生み出しました。

 物価の下落は「消費の減速」を生み、金利の低下は「貯蓄・運用効率の悪化」を生み、そして賃金の減少は「収入の減少」を生みました。

 別の言い方をすると、消費の減速は「企業の儲けが減った」、貯蓄・運用効率の悪化は「老後の生活資金を貯めるのが難しくなった」、収入の減少は「余裕のあるお金の使い方がしにくくなった」ということになるでしょう。

 これらに輪を掛けるように今、「高齢化」と「少子化」という2つの波が同時に訪れています。

 このふたつの問題は、「税金と社会保険料の増加」をもたらすことから、先程の3つのスパイラルに加え、「支出の増加」を引き起こしています。

 これらの問題を解決しようと国は果敢に努力してくれていますが、バブル崩壊後の負のスパイラルがすでに20年以上も続いているので、人々の価値観が委縮してしまっています。

 ここまでが1970年以降生まれのボクらの暮らしを取り巻く経済的な大きな流れです。

 

 さて、ファイナンシャル・プランナー(FP)事務所を開業して、もう少しで10周年を迎えますが、実務面で感じていることをもとに、暮らしについて項目ごとに傾向を見ていきたいと思います。

①ライフプランとライフスタイル

 価値観については、「安心・安全」を軸にリスクを取りたがらない傾向があります。

 その理由は「老後の生活に不安があるから」が一番多いようです。

 公的年金の不祥事やもらえる年金額が減っていることがこれにつながっています。

 それ以外にも、バブル崩壊後の会社の倒産や人員削減、競争主義・成果主義の導入、ブラック企業に象徴されるような劣悪な就労や待遇が「雇用不安」となっており、所得を減らしたくない、なるべくお金を貯めたいなどの動機に結びつきやすくなっています。

 老後のためのお金を貯めたいという「将来のお金」と、子どもの教育資金を貯めたいなどの「今のお金」に対するニーズが比較的高いこともあり、親世代と比べ共働きの夫婦が増えてきたのも1970年以降生まれの特徴と言えます。

②貯蓄や資産運用

 親世代が現役のころは日本経済は右肩上がりだったため、銀行にお金を預けても、貯蓄性のある生命保険に入っても、株を買っても、バブル崩壊後の貯蓄・運用環境と比べるとお金が貯まりやすかったのは事実です。

 今の金利はほぼゼロ%、貯蓄性のある生命保険の利回りも低く、株式などの値動きはグローバルなマネートレードの機会が増えていることから乱高下しやすい状況です。

 「安心・安全」という価値観がベースにあるので、利回りが低くても安全にお金を貯めるという選択をし、確定拠出年金(日本版401k)が大企業を中心に浸透しつつあるものの、安全性の高い金融商品(預貯金や生命保険)を選ぶ傾向が強いのは、1970年以降生まれのボクらにとっては当たり前のことなのかもしれません。

③マイホーム

 親世代で一世を風靡したのは「夢のマイホーム」という価値観でした。

 がんばってがんばって働いてどんどん給料が増えていく時代に、退職後の建替えを含め、マイホームを買うという夢を二度実現した人が少なくありません。

 これができたのも、生涯賃金と退職金が多かったことや、公的年金企業年金が満たされており、老後の生活への不安があまりなかったからと言えます。

 昔と今とを比べると、生涯賃金の中に占める住宅費用の割合が相対的に違います。

 一生のうちに稼げる所得が伸びない中で、3,000万、4,000万、5,000万円の住宅ローンを組むことは、投資効率という意味で大きなリスクを負っており、見方によっては安心・安全という価値観の対極にあります。

 この場合のリスク選択は、価値観の上で「家族の幸せな暮らし」を選んだ方がリターンが多いという「目に見えない価値」にもとづいています。

 これに加え、核家族という家族のあり方にも変化が現れています。

 親の家の近くに住む、親と子と三世代で暮らす、子どもの成長を考えて田舎ぐらしをする、中古物件を買って家族のライフスタイルに合うようにリノベーションして住むなど、これまでの都市型の住み方よりも、家族の価値を重視した住まいのあり方を求める人が増えています。

④保険

 日本人の平均寿命は昔と比べ長くなり、また医療技術の進歩もあり、生命保険の保障内容も変わってきました。

 親世代のころは、保険といえば「養老保険でお金を貯めると、銀行に預けるよりもたくさんお金が貯まる」という、今となってはいわゆる保険神話があったため、医療保険よりも生命保険の方が常識の時代でした。

 時代を経て金利が低くなり、保険会社の運用環境が悪化するにつれ、保険会社の商品開発は貯蓄性の低い死亡保険が多くなり、また長生きのリスクに備えるというニーズの高まりから、掛捨ての医療保険で病気やケガのリスクをカバーするという考え方が主流になっています。

 また、老後の生活費を早いうちから準備するために個人年金保険が選ばれたり、がんの罹患率が高まっていることから、がん保険の加入者も増えています。

 さらに、親の介護で離職者が増えているという社会的な背景もあり、介護保険へのニーズも高まっています。

 保険については、利回りが低いことから、総じて自分のため、家族のための保障を重視し、目的に合った保険選びや見直しをしていく傾向にあります。

⑤子どもの教育資金

 生活が豊かになるにつれ、子どもの教育にお金を掛けるという傾向が強まった親世代ですが、右肩上がりの経済のもと、教育資金は年々高まりを見せるようになりました。

 不思議なことにバブルが崩壊した後も高い傾向が続き、所得の格差が教育の格差を生んでいると言われている今でも、教育資金の高止まりはそれほど改善されていません。

 1970年以降生まれの、子を持つ親の傾向として、いわゆるゆとり教育に対する不安から、子どもを学習塾に通わせる、習い事をさせる、私学に通わせるという充実した教育環境を子どもに与えるという価値観が強くなっています。

 公立高校の授業料無償化や私立高校の授業料の助成、教育資金の贈与の非課税制度など子育て支援に向けた制度設計がなされていますが、それでも教育資金が多くかかることに歯止めがかからないのはこのような理由があると考えられます。

 しかし、現在、保育園料や大学の学費の無償化などが検討され、1970年以降生まれの子育て世帯にとっては、家計の負担が軽くなる可能性があります。

⑥老後のお金

 振り返ってみると、親世代には老後の生活資金を準備するという考え方は、今ほど持ちあわせてはいなかったと思います。

 年金制度の改正前で公的年金が予定通り60歳からもらえたり、改正後でも少なくとも65歳になる手前で支給が始まっているからです。

 また、退職金の額が大企業の従業員で平均2,000万円、中小企業の場合は1,500万円と働いているときから安心感が高く、会社の賃金体系の見直しも今ほど行われていなかったため、生涯もらえる賃金で考えると、老後に向けた貯蓄が比較的しやすい環境にありました。

 それが今では、退職金の平均額が大企業で1,500万円、中小企業で1,000万円となっています。

 定年が65歳に引き上げられたのも1970年以降生まれの働き方に大きな変化をもたらしていますが、すでに大企業を中心に賃金体系の見直しが行われ、勤続年数に合わせた生涯賃金の曲線である賃金カーブの伸びが、親世代と比較すると緩やかになっています。

 また、それまで加入していた企業年金が解散し、施行からはや15年経過した確定拠出年金(日本版401k)をその受け皿として、老後の年金を自分で運用する必要に迫られているのも1970年以降生まれのボクらの特徴と言えます。

 老後のお金の準備については、総合的に「自助努力で貯める、増やす」というのが、今の現役世代の新常識になっています。

 

 このように見ていくと、時代が暮らしを映し出していると言っても過言ではありません。

 親の生きた時代は、それはそれとして多くの問題をはらんでいたかもしれませんが、同様に1970年以降生まれのボクらの生きる時代にも多くの問題があるのは当然です。

 最も大切なことは、自分がどのように時代を見つめ、今をどのように生き、未来をどのように歩んでいくのかを自分で決めるということではないでしょうか。

 時代の潮流は時代の趨勢ですが、抗いようのない時代の流れに身を任せつつ、自分の生き方をそれぞれが模索していく時代、これが1970年以降生まれのボクらにとって最も大切な暮らしに関する価値観になっていく気がします。